□ 運も実力のうち
皆さんは「運」について、どんな考えをお持ちですか。
昨年、現役を引退した元横綱白鵬の間垣親方は
「私は決して強い人間ではありません。ただ運があった。その運は努力をしている人間にしか来ない」
と言い、サッカー界のレジェンド三浦知良選手は
「コツコツやってきたことが実って結果となる。その積み重ねが運をも呼び込む」と言っています。
意思や努力ではどうにもならない巡り合わせを「運」という人もいますが、先の二人は「運も実力のうち」「運は自分で良くできる」と考えているようです。
昨年、MVPに輝いた大谷翔平選手も「運」を大事にしている一人です。
大谷選手は花巻東高校時代に「プロ野球8球団からドラフト1位指名を受ける」という最終目標を達成するために、マンダラチャートという目標達成シートを作ったことはご存じの方も多いでしょう。
マンダラチャートでは、9×9の81マスの中心に最終目標を書き、その周囲には目標達成に必要な8つの要素を書きますが、高校生だった大谷選手は8要素のひとつに「運」をあげました。
注目すべきはここからです。
マンダラチャートではさらに、運を良くする要素を8つに細分化していきます。
皆さんなら運を良くするために何をしますか。
当時の大谷選手が考えた運を良くする8つの行動とは次 のとおりです。
「挨拶」
「道具を大切に使う」
「プラス思考」
「ゴミ拾い」
「応援される人間になる」
「部屋掃除」
「審判さんへの態度」
「本を読む」。
ここから見えてくるのは「感謝の心」でしょうか。
周囲の人たちへの感謝。
物への感謝。
大好きな野球ができることへの感謝。
また高校時代の佐々木監督からは「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そうい う発想をしなさい」と言われ、それ以来、ゴミ拾いを続けているそうです。
何事にも感謝を忘れず、コツコツと努力を重ね、意図して行動する。
実力とはその結果であるならば「運も実力のうち」という言葉の重みが身にしみます。
つまりは志を持って目の前の仕事に集中していると、おのずと運に恵まれるということなのでしょう。