□ 商売繁盛とゴキゲンのいたちごっこ
片付けの極意は、毎日5分でもちょこちょこ整理することだと聞きました。
太ってしまったと慌ててダイエットしても体重はなかなか戻りませんが、体型や体調に気を使っている人は毎日、体重計に乗り、数百グラムでも増えていたらカロリー・コントロールや運動をするそうです。
病気を大事にしないためには早期発見・早期治療。
物事は何でも「小さいうち」に対処しておくのがコツです。
人間関係も同じでしょう。
すれ違った気持ちを放っておくと、お互いの溝が深くなることはあっても、勝手に溝が埋まることはありません。
溝を埋めるには歩み寄りが必要ですが、歩み寄りの距離が100歩と1歩では労力がまったく違います。
人間関係のこじれも、小さいうちに対処しておくに越したことはありません。
自分の感情のこじれも、やはり小さなうちに対処しておくことが自分のためです。
感情的な人は、自分の感情のアップダウンが考え方や判断基準に影響を及ぼします。
要するに自分の感情に振り回されてしまうのです。
例えば「ムッ」としたままでいるとそのうち「ムカッ」となり、次第に「ムカムカ」して、最後は怒りが爆発します。
逆に、いつも穏やかな人もいます。
もともと穏やかな性格の人もいますが、そうでない場合は自分の感情に振り回されない工夫をしているようです。
怒りの感情が芽生えたら、振り幅の小さいうちに怒りをキャッチして収める。
つまり、自分で自分の機嫌を取っているのです。
「ムッ」としたら、心の中で自分に向かって「まぁまぁ」と言ってみます。
「まぁまぁ、それほど怒ることでもないよ」と言ってみると、言葉につられて気持ちの波風が収まるから不思議です。
人から丁寧に扱われるのは気分が良いものですが、自分をいちばん丁寧に扱えるのは自分です。
感情に振り回されないように自分で自分をなだめ、自分で自分を持ち上げる。
自分の機嫌を取る習慣は、自分で自分を丁寧に扱うことでもあります。
景気良さそうなあの人は、商売繁盛だからゴキゲンなのではありません。
いつもゴキゲンでいられるように自分を大事にしているから商売がうまくいっているのでしょう。