□ 新しい夢を見るのに年をとりすぎたということはない
皆さん、上を向いて歩いていますか?
体と心はつながっています。
上を向くと気分が上がり、下を向くと気分が下がる。
そんな気がするだけでなく、実際に脳もそう感じるそうです。
さて、ある社長は昨年、古い知り合いからこんな手紙を受け取りました。
「僕は毎年、1年の終わりに近づくと、次の年に向けて自分自身に手紙を書くんですが、それは単に日記帳に書くのでは なく、自分が1年後にどうなっていたいかということを書くんです。
そして1年が過ぎて、その文章を読むと、過去の自分に出会えるだけでなく、その瞬間、そ してそれからの自分のあり方、つまり未来の自分にも向き合うことができる。
そんなバカなことをやっています」。
若い頃に役者をやっていたこの手紙の男性は、 役者の先生からこの習慣を教えてもらい、もう20年以上も続けているそうです。
20代の初めに海外を放浪したあとニューヨークに移り住み、それから25年近くの時間を異国で過ごしてきた彼には、自分の映画を撮るという夢があります。
長い間ひとつの夢を追いかけるということ。
しかも異国で。
思うように行かないことが多かった中、年の瀬に書く自分宛ての手紙は、自分への叱咤(しった)激励と同時に希望となって長年、彼を支えてきたのだろうと想像します。
「さて、来年ですが、これまでのすべてを忘れて、ゼロから映画創りに挑戦する気構えです。良い年を迎えましょう!」
これが昨年末のこと。
彼は今年、コロナ禍という世界的な逆境の中、念願の映画撮影に入りました。
「自分の映画を撮る」 と決めてから30年が経過しています。
「新しい目標を持ったり、新しい夢を見る のに、年をとりすぎたということはない」。
これは『ナルニア国物語』を書いたイギリスの作家であるC・S・ルイスの言葉です。
今の世の中、ちょっとでも気を 緩めると下を向きたくなるようなことが多いのは確かでも、どこに目を向けるかは自分次第。
来年の今頃、上を向いて商売に励んでいる自分を想像しながら、1年後の自分に手紙を書いてみるのも良さそうですね。