□ 大きな石から入れる
何らかの問題が起こるとき、原因のほとんどは「優先順位」にあるそうです。
誰を、何を、どの状況を、どのタイミングを優先するかで経過が変わり当然、結果も変わります。
思い出してみてください。
人間関係のこじれも仕事上のミスも優先順位を間違えなければ避けられたものが多かったのではないでしょうか。
経営はシミュレーションに始まりシミュレーションに終わるといわれますが、シミュレーションとは要するに優先順位の付け方です。
優先順位の考え方として有名なエピソードがあります。
ある大学の授業でのこと。
教授が大きな壺(つぼ)に石を詰め、壺が石でいっぱいになると学生に聞きました。
「この壺はいっぱいになっただろうか?」。
学生たちは「はい」と答えますが、教授は「本当に?」と言って砂利を取り出し、壺の中に流し込んで石と石の間を埋めました。
そして学生に尋ねます。
「この壺はいっぱいか?」
「いいえ、違うと思います」。
教授は次に砂を取り出して壺に流し込み、
「この壺はいっぱいか?」
「いいえ」
と同じやり取りを繰り返した後、さらに水の入ったバケツを取り出しました。
壺の縁まで水を注いだ教授は、学生に最後の問いを投げかけます。
「私が何を言いたいか分かるだろうか?」。
皆さんは教授の意図を理解できたでしょうか。
どんなに予定がいっぱいでも努力すればもっと予定を詰められる。 これは学生の答えと同じですが、教授の言わんとすることとは違います。
教授曰く
「大きな石を先に入れないと、あとから入れようとしても入らない」。
つまり、物事には優先順位があると教授は言いたかったのです。
「大きな石」とは自分の一番大事なもの。
大きな石を最優先しないで砂や砂利から手を付けると、一番大事なものにかける時間がどんどん減ってしまいます。
商売という壺にあなたは何から入れますか。
この壺が人生そのものなら、あなたにとっての「大きな石」は何ですか。
商売も人生も優先順位を意識すると、きっと質の良いものとなるでしょう。